車のリース契約満了で買取を行うメリットとデメリットについて考察していきたいと思います。
車のリースは長期契約が基本となっており、標準的なもので5年から7年、長いものでは9年から11年の契約ができるところもあります。
リース契約は契約途中で内容を変更することができないため契約時に満了後にどうするかを決めておく必要があります。
満了後の選択肢は次のどれかになります。
- 新車に乗り換える
- リースしていた車を再リースする
- リースしていた車を買い取る
- 返却して契約終了
今後も車に乗り続けるなら1から3のどれかにする必要がありますので、何年も先のことになりますが契約時にある程度決めておかなければいけません。
ここでは4つの選択肢のうち車の買取を行うことに関してみていきたいと思います。
車の買取価格の相場はどれくらい?
まず車の買取価格についてですが、これは契約時に定めた残価がだいたいの目安になります。
残価は契約年数後の市場価値を予測した物でありレッドブックと呼ばれるものを参考にしています。
車種によっても変動しますが、契約年数による残価設定はだいたいこの範囲に収まることが多いです。
- 3年後・・・40%~60%
- 5年後・・・30%~40%
- 7年後・・・20%~30%
- 9年後・・・10%~20%
- 11年後・・・0%~10%
例えば200万円の車を5年契約して買い取ろうとした場合残価は60万円~80万円ぐらいに設定されるということになります。
車の買取を行う場合はオープンエンド方式で契約しなければいけないところがほとんどで、残価は契約時に自分である程度融通が利くようになっています。
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安く買い取りたいなら残価を安く設定して毎月のリース料金を高めにするというのも一つの方法です。
業者によっては残価を高めに設定してリース料金が安いといっておきながら満了後に精算しなければいけなくなるなどのこともあるので注意が必要になります。
車の買取を行うメリット
車を買い取ることには次のようなメリットがあると考えられます。
- 原状回復の義務がなくなる
- 使用制限がなくなる
- メンテナンス費用だけで乗れるようになる
リース契約では原状回復義務があり、例えば返却時に傷へや込みがあった場合は直さなければいけませんし、カスタマイズしていた場合は元に戻す必要があります。
これは返却された車を中古車市場などで売却するためなのですが、自分で買取を行うとその必要がなくなるので原状回復しなくてもよくなります。
またリースカーでは走行距離に制限があることがほとんどですが買い取ることによって自由に乗れるようになります。
更に一番大きなメリットになりますが、買取を行えば今後本体代金を払う必要はなくなるためメンテナンス費用だけで乗ることができるようになります。
再リースする場合はまた本体価格を支払わなければならなくなるのでその分の負担は軽くなるでしょう。
車の買取を行うデメリット
ただし買い取ることで次のようなデメリットも生まれます。
- 買取にまとまった資金が必要になる
- 車検や整備のたびにまとまった資金が必要になる
- 維持管理を自己責任で行わなければならない
- 支払総額が高くつく
契約年数にもよりますが買取を行うとなるとそれなりにまとまった資金が必要になります。
買い取るならなるべく安くなってから買い取った方が負担は減りますが、契約年数が長いと買い取ってから使える年数も短くなってしまいます。
個人的には買い取るなら7年契約した後が一番費用対効果が高いと思っています。
軽自動車なら約14年、普通車でも12年が平均使用年数となっているので、これを考えると7年契約なら買い取った後も十分乗ることができると思います。
軽自動車なら20万円~30万円ぐらいになると思うのでそこから7年利用できると考えれば悪くないと思います。
ただ車の走行距離の目安は1年1万キロなので、もしそれ以上走っているようなら買い取らない方がいいかもしれませんね。
また買取を行うとメンテナンスも自己責任になりますが、車は年数がたつほどメンテナンス費用が大きく膨らんでくるので、買い取ったからといって負担がなくなるわけではないことを理解しておきましょう。
無償で譲渡してくれる業者もある
満了時に買い取るのが一般的なリースですが、中には満了後に無償で譲渡してくれる業者もあります。
大手ではオリックス自動車とカーコンカーリースがそのようなサービスを提供しています。
無償で譲渡してくれる理由はもともと残価を設定しておらず契約期間中に全額負担しているような形になっているからです。
とはいっても決してリース料金が高いわけではありません。
例えばN-BOXのリース料金を比較すると次のようになっています。
契約条件 | オリックス | コスモ | カルモ |
---|---|---|---|
3年 | - | 43,010円 | 42,898円 |
5年 | 32,340円 | 33,000円 | 33,658円 |
7年 | 26,620円 | 28,930円 | 30,332円 |
9年 | 22,000円 | - | 26,460円 |
11年 | - | - | 23,908円 |
グレード | G・Honda SENSING 4人 660cc ガソリン | G・Honda SENSING 4人 660cc ガソリン | G・Honda SENSING 4人 660cc ガソリン |
走行距離制限 | 月2000km | 月1000km (変更可能) | 月1500km |
オプション | カーナビ ETC マット | カーナビ ETC | カーナビ ETC マット |
頭金 | なし | なし | なし |
ボーナス払い | なし(変更可能) | なし(変更可能) | なし |
契約満了後 | もらえる(プランによる) | 買取可能 | もらえる(プランによる) |
7年契約のところを見ると残価設定のあるコスモ石油よりも設定なしのオリックスの方が安くなっているのがわかると思います。
リース料金だけで2310円の差があるので84ヶ月だと194000円の差がつくことになります。
更にコスモ石油だと車の買取になり人気車であるN-BOXだと残価もそれなりに高くなるでしょう。
仮に35%程度だとすると50万円は必要になるので差額と合わせて70万円も多く負担することになってしまいます。
もちろん車種によってはコスモ石油の方が安くなることもあるのですが、満了後に車がほしい場合はオリックスのように無償で譲渡してくれる業者を選んだ方がいいでしょう。
まとめ
リース契約が満了になったら車を買い取ることができるプランもありますが、その後も乗り続けたいと思っているなら無償で譲渡してくれるオリックスなどを利用したほうがお得になります。
買取を行うことにはメリットもあればデメリットもありますが、無償で譲渡してくれるならデメリットのいくつかは解消されるでしょう。
トータルのコストで考えても買取を行うなら確実に無償譲渡の方が安くつきます。
メンテナンスの面で若干の違いはありますが、車がほしいと思っているならオリックスを利用してみてください。