リース車両を改造してはいけないという話を聞いたことがある方は多いと思います。
この数年の間にリース車両の契約数は急激に増加しており、個人向けカーリース需要は2022年には現在の3倍以上にあたる93万件まで増えるといわれています。
利用者が増えればその分トラブルが増えるのもわかると思います。
よくあるトラブルの一つがリース車両の改造も関係する原状回復義務に関するものになります。
原状回復義務とは?
カーリースを利用する場合は必ずといっていいほど原状回復義務が課せられることになります。
リースではあくまで車を借りている状態なので返却する際には元の状態に戻してから返却する必要があります。
これを原状回復義務といい、例えば車体に傷やへこみがついていたり、シートにシミや汚れがついていたりした場合に元に戻す義務が発生します。
業者によっては元に戻してから返却するところと、元に戻すためのお金を請求されるところがあるようです。
当然改造も例外ではなく、勝手にパーツを付けたりオーディオを改造したりしていると違約金を請求されます。
返却された車はリース会社が中古車市場などで売却することが多く、その際の査定にマイナスとなる要素は基本的に原状回復の対象になってしまいます。
取り付けや取り外しができるものならまだいいですがボディに穴をあけてパーツを付けていたりすると大きな金額を請求されることもあるので注意が必要です。
オプションはOK?
車を購入する際はメーカーオプションやディーラーオプションを付けることができるようになっています。
カーリースでもそれらを利用することは可能となっており、契約する前に条件を指定することで好きなオプションを付けることができます。
契約前につけたオプションなら料金もリース料の中に含めることができるので負担は軽減されます。
契約時につけたオプションならその状態で納車されることになるので、原状回復もその状態に戻せばいいだけになります。
つまり事前につけたオプションについては改造とみなされないということです。
しかし契約した後に自分でディーラーに行き改造してしまった場合は原状回復の対象となってしまいます。
ですのでオプションを付けたいと思っている場合は契約する前に注文しておきましょう。
安心の原状回復保証
一部のリース業者では原状回復保証を取り扱っています。
その業者はマイカー賃貸カルモという会社です。
改造に対して保証されるかどうかまではわからなかったのですが、傷やへこみや汚れなどの違約金が発生する事例で軽自動車なら15万円まで、普通車なら18万円まで補償してもらうことができます。
おそらく改造には対応していないと思いますが、詳しく知りたい場合は問い合わせてみるといいでしょう。
運転に自信のない方や小さなお子さんがいて汚してしまうことを気にしている方はこういった保証がある業者を選ぶといいと思います。
原状回復せずに済む方法
どんなに傷やへこみがあっても、どれだけ改造していても原状回復をせずに済む方法が一つだけあります。
それは契約満了後に買取をおこなう、あるいは無料でもらい受けるというものです。
残価設定がある場合は契約満了後にオープンエンド方式で契約している場合に限り車を購入することができるようになります。
残価設定がない場合は契約年数にもよりますが満了後に無料で車をもらうことができる業者もあります。
これらを利用すればリース会社はわざわざ中古車市場で車を売却する必要がなくなるので原状回復をする必要がなくなるというわけです。
車の買取と無償譲渡なら断然譲渡の方がお得になります。
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カーリース満了後の無償譲渡と買取の差額を比較していきたいと思います。 カーリースは契約満了時には以下の4つの選択肢からどうするかを選ぶことになります。 新車に乗り換える リースしていた車を再リースする ...
無償譲渡を行っているのはオリックス自動車やカーコンビニ倶楽部のカーコンカーリースなどになります。
特にオリックスはリース業者の中でも最大手で、他社と比較してもリース料金が安くなることが多いので、カーリースの利用を検討しているなら必ず候補に入れておいた方がいいと思いますよ。
まとめ
カーリースを利用する場合は基本的に改造することはできないようになっています。
改造していた場合は原状回復義務違反により違約金が発生してしまいますし、つけていたパーツもそのまま取られてしまうことが多いです。
そのため改造したいと思っているなら契約前にディーラーオプションを付けることにとどめておきましょう。
ただし契約満了後に車をもらい受けたり買取を行う場合は原状回復をしなくてもよくなります。
改造する場合はこれらのことを踏まえて行うようにしましょう。
なお改造によって車検に通らなくなる可能性は大いにあるので十分注意してください。