カーリースは途中解約できるのか、また実際に解約することになったら違約金はいくらぐらいなのかを考えていきたいと思います。
カーリースといえば法人向けが一般的でしたが、この数年の間に個人向けカーリースの需要が増えてきました。
2018年には約25万件だったそうですが、2022年には93万件まで増えるそうです。
リース業界にとっては非常にいいことなのですが、契約数が増えるとどうしてもトラブルも増えてしまいます。
カーリースの場合では解約に関してトラブルになることが圧倒的に多いです。
自分がもしそのようなケースに陥ったときにどうすればいいのか見ていきたいと思います。
基本的に途中解約はできない
カーリースは基本的に途中解約ができないようになっており、これは契約の際の規約にもきちんと記載されていることだと思います。
解約できない理由はカーリースの仕組みを考えれば当然のことといえます。
リース会社は契約が成立するとディーラーから車を購入しそれを契約者に定額で貸し出すことになります。
契約が成立している時点で車一台分のコストがかかっているわけですから、これが回収できるまでは解約できないのは当然だとわかると思います。
でないとリース会社がただただ損をすることになり、そのような人が増えると損害ばかりが増えていきますからね。
そうならないために途中解約というのはできないようになっているんですね。
納車前でも解約することはできない?
車を購入した時でもそうなのですが、契約成立から納車まで時間がかかることがあり長い場合は1ヶ月~2か月ぐらい待つこともあります。
人によってはその間に事情が変わり車が必要なくなったという方もいるかもしれません。
私が調べた限りではリース契約をして納車する前に親から車を譲り受けることになったためリースする必要がなくなったという人がいましたね。
納車前で一切車を使っていないのだから違約金は支払いたくないと思うのは当然だと思いますが、残念ながら契約が成立している時点で規約通りの処理が行われることになります。
つまり納車されていなくてもリース会社は車を一台購入していることになるので解約する場合はそれに見合った違約金が必要になるということです。
違約金はいくらぐらい?
では途中解約することになったら違約金はどれくらい支払うことになるのでしょうか?
調べてみたところ、「オリコオートリース」というカーリース業者の公式サイトで違約金の計算方法について以下の計算式によって算出することができるとありました。
「中途解約金」=「未払リース料」+「遅延損害金」+「残期間分リース料」+「事務手数料」+「残存価格」-「未経過費用」-「車両査定価格」
これを見ても契約者側からは詳細はわかりませんので基本的な部分を見ていきたいと思います。
例えば車両価格100万円の車を7年契約で残価が20万円だったとしましょう。
単純計算だとリース料金は80万円で支払い回数は84回となりますね。
リース料金はこれに加えてメンテナンス料などが含まれることもあるのですが、ややこしいのでこれは省略しておきましょう。
おそらく実際にはこの部分が未経過費用に該当すると思われます。
例えば7年契約で4年で解約したとすると5年目の車検は受けていないことになるのでそういった費用が当てはまることになるんでしょうね。
今回はわかりやすいように月々の支払金額を1万円だったとしましょう。
4年で解約した場合、支払った金額は48万円で、残りのリース期間で36万円支払う必要があります。
残価は20万円に設定していましたが4年しか利用していないので車の価値は40万円残っているとしましょう。
支払いが滞ったわけではないと仮定して未払い分と遅延分はないことにします。
そうなると考える必要があるのは
「残期間分リース料」+「事務手数料」+「残存価格」-「車両査定価格」
ということになるので上記の例を当てはめていくと
36万円+α+20万円-40万円
ということになりますね。
事務手数料に関してはよくわかりませんが、この場合だと中途解約金は30万円から40万円ぐらいに収まると思います。
ただし実際にはリース料金に金利がかかることになるので計算はもうちょっと面倒になるでしょう。
結論を言うと解約した際の違約金は支払っていない分のリース料金にプラスαぐらいになるということです。
そのため契約年数が短いほど途中で解約した際の違約金が高くなることになります。
オリックス自動車のカーリースの場合
オリックスのリースプランには途中で解約することができるものがあります。
それがいまのりナイン(9年契約)といまのりセブン(7年契約)です。
いまのりナインの場合は7年目以降、いまのりセブンの場合は5年目以降に違約金なしでいつでも解約できるようになります。
それ以前に解約すると違約金が発生することになりますが、残りの2年をいつでも解約できるようになるというのは精神的には楽になると思います。
長期契約したいが万が一の時に備えたいという場合はこれらのプランを検討してみてもいいかもしれませんね。
コスモ石油のスマートビークルの場合
コスモ石油が提供しているスマートビークルの場合は契約期間中は解約することができません。
やむを得ず解約する場合は必ず違約金が発生します。
スマートビークルは契約期間が3年、5年、7年となっているので契約する際は途中で解約する必要がないように契約期間を調整する必要があるでしょう。
ただし契約期間を短くすると月々の支払金額が大きくなるので、短期間のリースはあまりお勧めはしません。
違約金を支払う必要がないよう契約の際はきちんと計画を立てるようにしましょう。
実際に違約金を支払った例は?
ネットを調べているとフェアレディZを新車で5年間のリース契約して、1年使って解約することになり180万円の違約金を支払わなければならなくなったという人がいました。
フェアレディZの本体価格は安くても400万円ぐらいはしますね。
1年後の価値はだいたい300万円~350万円ぐらいになると思われます。
5年契約ならどんなに価値が下がっても残価が150万円はあったでしょう。
仮にこの金額だとするとリース料金は60回払いで250万円となりますね。
実際にはメンテナンス料金などが必要なためもっとすると思います。
月々の負担が4万円だったとすると未払い分は200万円前後ぐらいになります。
先ほど述べたように違約金は支払っていない分のリース料金+αぐらいになると思われるので、180万円は妥当な線だと思われます。
もっときちんと計算すれば正確な数字が出ますが、目安を知る程度ならこの程度の計算でいいでしょう。
まとめ
カーリースは契約書を提出した時点で取引が成立しているため、たとえ納車されていなくても解約するには違約金が必要となります。
ただし一定の条件を満たすと違約金なしで解約できる業者もあります。
カーリースにおいて違約金を支払うほど無駄な出費はないので、契約する際はきちんと将来のことを見据えたうえでするようにしてください。
もし何らかの事情で解約しなければならなくなってしまった場合は「支払っていないリース料金+α」ぐらいの料金が違約金として発生すると覚えておくといいでしょう。