カーリースとカーローンの違いを比較し、どっちが得かシミュレーションして見たいと思います。
新車に乗る方法として最近注目を集めているのはカーリースです。
個人向けカーリースの契約数は2018年で25万件でしたが2022年までに93万件まで伸びるといわれています。
非常に多くの方がリースへ移行することが予想されますが、そもそもカーリースとカーローンはどちらが得なのかという疑問は常にユーザーを悩ませています。
そこでどちらが得なのかということを徹底的に調べていきたいと思います。
カーリースとカーローンの違い
カーリースとは?
カーリースとはリース会社が購入した車を月々の支払によって貸してもらうサービスのことです。
家に例えると賃貸契約と同じような感じですね。
車の所有者は自分ではありませんが使用権は自分になり、契約の範囲内(走行距離制限を守る)であれば自由に車を使うことができるようになっています。
ただし契約満了時には車を返却する必要があります。
プランによっては満了時に買取を行うこともできますが、その際はまとまったお金が必要になり車の状態によっては買取を行わない方が得をすることもあります。
カーローンとは?
カーローンとは銀行などの金融機関から借金をして車を購入できるサービスのことです。
借金には当然金利がつくことになるため一括で購入するよりも支払金額が高くなりますが、分割で返済することができるので月々の負担は小さくなります。
借金を返済し終わったら当然車は自分のものになります。
カーリースとカーローンの主な違い
名義などの細かいことは別にして実際に運用していくうえで大きく影響する違いを見ていきたいと思います。
カーリース | カーローン | |
---|---|---|
頭金 | 必要なし | 必要あり |
金利 | 本体に加えて税金や保険にも | 本体購入代金にのみ |
審査 | 緩め | 厳しめ |
カスタマイズ | 不可 | 可 |
まず頭金ですがカーリースでは不要になっているところが多く月々の負担を一定にしやすくなっています。
一方でカーローンではある程度の頭金が必要なところが多く、本体台の2割~3割程度は支払わなければならないことが多いです。
次に金利についてですが、カーリースでは本体台に加えて税金や保険料にも金利がかかるため支払総額が高くなりやすいです。
ただしその分すべての支払が月々の負担の中に含まれているのでまとまったお金が必要になることがありません。
一方カーローンでは本体台にのみ金利がかかるため支払総額はカーリースよりも安くなりやすいです。
ただし税金や保険料については自分ですべて負担する必要があるので月によってはまとまったお金が必要になります。
審査についてはリースの方が緩めでローンの方が厳しめであるといわれていますが、これは業者によって変わるので一概には言えません。
そういった傾向にあると覚えておくといいでしょう。
最後にカスタマイズについてですが、カーリースでは契約満了後に原状回復の義務があるためカスタマイズすることができません。
そのため好きに車をいじりたいと思っているならローンを組んで購入したほうがいいでしょう。
カーリースとカーローンの料金比較
続いて実際に運用するとなるとどっちが得なのかを見ていきたいと思います。
今回はコンパクトカーとして絶大な人気を誇るトヨタのアクアでシミュレーションしていきたいと思います。
カーリースの場合
本サイトではおすすめのリース会社としてオリックス自動車を紹介しているので、リース料金の見積もりもオリックスで取ってみました。
7年リースプランはいまのりセブン、9年リースプランはいまのりナインとなっています。
見積もり結果は次の通りです。
月33048円 × 84回 = 277万6032円
9年リースの場合
月27864円 × 108回 = 300万9312円
となります。
もちろんこの費用の中にはメンテナンス費用などもすべて含まれているので月々の支払金額が変わることはありません。
ただし細かい消耗品のメンテナンスはサポートの範囲外なのでそれらを自己負担する必要はあります。
まあだいたい1年1万円ぐらいを見ておけばいいと思います。
カーローンの場合
トヨタの公式サイトで最低限の装備を付けてどのくらいで購入できるのかシミュレーションしてみたところ以下のようになりました。
本体価格が約175万円で、その他オプションと税金を合わせて2,172,937円となっています。
リースと比較する場合は当然その後のメンテナンス費用も考えなければいけません。
7年リースと比較する場合は3年目と5年目の車検、9年リースと比較する場合はこれに加えて7年目の車検もあります。
細かい説明は省きますが、アクアの車検時の基本料金は74,310円となっており、部品の劣化などがある場合はこれにプラスアルファが必要になります。
まあだいたい10万円ぐらいを見ておけばいいと思いますが、場合によってはそれ以上することもあり得ます。
購入している場合は当然ほかのメンテナンス費用、例えばオイル代であったりタイヤ代であったりが必要になります。
こういったメンテナンス費が年間で平均3万円必要になるとしましょう(最初の数年はメンテナンス費用にそこまでかかりませんが長く使うほど費用が掛かるようになります)。
金利は本体台購入費にかかるように計算しますがどこから借りるかによって金利は変動します。
今回は平均的な2.3%で計算しています。
本体代(諸経費含む) + 金利 + 車検2回分 + メンテナンス費用7年分
217万2937円 + 18万円 + 20万円 + 21万円 = 276万2937円
9年使用した場合
本体代(諸経費含む) + 金利 + 車検3回分 + メンテナンス費用9年分
217万2937円 + 23万円 + 30万円 + 27万円 = 297万2937円
という計算になりますね。
もちろんこれはかなりアバウトなものなので実際にはもう少し調整が必要になると思いますが、まあだいたいこのぐらいとみておけばいいでしょう。
結局どっちがお得?
上記のシミュレーションを見てもわかるようにカーリースとカーローンにはそこまで大きな違いはありません。
もちろん車種によっては差が出ることもありますし、カーリースのサイトではお得感を出すためにリースの方が安いという試算をしていることも少なくありません。
しかし現実的に考えていくと結局はそこまで変わらなかったりします。
カーリースの公式サイトでリースの方が安くなっているのはおそらくリース期間が短く5年以内になっているところがほとんどだと思います。
ただ車が必要でそんなに短い期間しか必要ないということはあまりないと思うんですよね。
出張などならわかりますけど、普通に考えたら10年以上使う方がほとんどだと思います。
そう考えると5年目以降の料金がどうなっているのかをイメージしてみましょう。
カーリースの場合は次の5年にも全く同じだけの費用が掛かることになりますが、購入している場合はメンテナンス費だけで済むので10年使った場合は購入したほうが安くつくんですよね。
そうなるとリース期間を長くすればいいだけなのではと思う人がいるかもしれませんが、カーリースはローンよりも金利が高く設定されていることがほとんどで、長く使えば使うほど金利の差が顕著に表れてきます。
そのため長く使えば使うほどリース料金は上がっていくことになり総額が高くなっていきます。
よって同じ車を長く使う場合はローンで購入したほうが得をするといえます。
カーリースがお得なのはどんな時?
ではどんな時にカーリースを利用するとお得になるのでしょうか?
それはきっちり決まった期間を使用する場合です。
例えば3年間なら3年だけ、5年間なら5年だけ利用してその後は車は不要になるという場合はリースを利用したほうが安く済むことがあります。
それこそ単身赴任で出張している場合などですね。
例えば定額ニコノリパックというリースプランでは以下のような比較をしています。
これを見ると5年間のリースでかなりお得なのがわかると思います。
ここで車を利用するのをやめることを考えた場合はリースの方が安くつくでしょう。
ただし購入している場合でもその車を売却するということになるので結局はそこまで差は出ないんですけどね。
どんな人におすすめ?
ではどんな人がカーリースに向いているのでしょうか?
こんな人におすすめ
- 頭金なしで新車に乗りたい
- 月々の負担を一定にしたい
- 維持管理をすべて丸投げしたい
- 決まった期間だけ車が必要
- お金がかかっても短い期間で新車に乗り換えたい
結局のところカーリースにもカーローンにも一長一短があるので重要なのはよりライフスタイルにあったのはどちらなのかということです。
どちらにしようか迷っている方は今後どのように車を使っていくのかをよく考えてより合っている方法を選択するのがいいと思いますよ。