カーリースでは税金や保険料の支払いはどうなるのか疑問に思っている方は多いようです。
最近では個人向けカーリースの需要も増えてきましたが、割合を見るとまだまだ法人向け・個人事業主向けの数の方が圧倒的に多いです。
2018年度には個人向けカーリースの契約数は25万件まで増えましたが、全体のリース数は350万件となっているので法人向け・個人事業主向けの数がどれだけ多いかは一目瞭然ですね。
なぜ法人向け・個人事業主向けカーリースはここまで需要があるのでしょうか?
カーリースは全額経費として計上できる
車を手に入れる方法としては次の3つが考えられます。
- 一括購入する
- 自動車ローンで購入する
- カーリースを利用する
法人あるいは個人事業主の場合は事業に使う車だった場合は経費にすることができるのですが、それぞれの方法で経費にできる金額が異なってきます。
一括購入した場合
車を一括購入した場合、固定資産扱いになってしまうため経費にする際は減価償却していかなければいけません。
車の耐用年数は6年と決められているので減価償却の年数も6年となっています(新車の場合)。
更に減価償却の方法も次の2つがあります。
- 定額法・・・毎年同じ金額を経費として計上する
- 定率法・・・車の価値に合わせて経費として計上する
定額法はわかりやすいと思うので今回は定率法を例にしたいと思います。
例えば240万円で車を購入した場合は次のような感じで計上していくことになります。
一括購入のメリットとデメリット
一括購入することのメリットとデメリットには以下のようなことがあります。
- 車を自由に使用することができるようになる
- 購入後はメンテナンス・管理費だけで利用できる
- まとまったお金が必要になる
- 支出に対して経費として計上できる金額が少ない
- メンテナンス・管理に手間がかかる
- 車両入替も面倒
自動車ローンで購入した場合
自動車ローンで購入した場合は車を購入するために借り入れたお金を経費として計上することはできません。
経費にできるのは返済にかかる利子と自動車税、重量税などの税金、自賠責保険、任意保険、ガソリン代、洗車代、車検代などの維持費、駐車場代などとなっています。
自動車ローンのメリットとデメリット
自動車ローンを利用して購入することのメリットとデメリットには以下のようなことがあります。
- 購入のための資金の大部分を借りることができる
- 車を制限なく利用することができる
- 経費として計上できる部分が少ない
- 金利の分だけ支払額が多くなる
- 維持・管理を自分で行う必要がある
カーリースを利用した場合
カーリースの場合は借金ではなく賃貸契約なので必要な費用を全額経費として計上することができます。
また車の所有権はリース会社にあるので固定資産として計上する必要もありません。
カーリースのメリットとデメリット
カーリースのメリットとデメリットには以下のようなことがあります。
- 利用料の全額を経費として計上できる
- 頭金が不要
- 納税を含めた維持・管理をすべてリース会社が行ってくれる
- 車の入れ替えが簡単
- 車の使用に制限がある
- 支払総額が高くなる
- 途中解約ができない
これを見ても法人や個人事業主がカーリースを利用するメリットが多いことがわかりますね。
事務処理がこんなに楽
上記で維持・管理について何度も言及していますが実際どれくらい違うのかイメージしにくい方も多いでしょう。
Dr.カーリースというサイトでわかりやすくまとめてあってので引用させてもらいますね。
部門・業務名 | 業務内容 | 購入 | リース |
---|---|---|---|
総務部門 | 車種選定・起案・決済・発注 | ○ | ○ |
自動車保険の付保更新手続・期日管理 | ○ | × | |
自賠責保険の付保更新手続・期日管理 | ○ | × | |
諸税の照合・納税手続き | ○ | × | |
整備料金など、請求書のチェック業務 | ○ | × | |
車両売却、処 | ○ | × | |
財務・経理部門 | 購入資金調達 | ○ | × |
車両代金・登録諸費用の支払い、集計 | ○ | × | |
諸税、保険料、修理費などの支払い、集計 | ○ | × | |
車両固定資産計上 | ○ | × | |
減価償却及び決算事務 | ○ | × | |
固定資産除却処理 | ○ | × | |
リース料支払い | × | ○ | |
各事業所の対応 | 車両管理台帳作成 | ○ | ○ |
保管場所管理 | ○ | ○ | |
運行管理 | ○ | ○ | |
法定定期点検、継続車検などの期日管理 | ○ | × | |
整備工場との折衝 | ○ | × | |
点検・修理代チェック、伝票作成 | ○ | × | |
事故保険関係業務 | 事故報告 | ○ | ○ |
保険事故処理 | ○ | △ | |
事故車両の修理見積書の作成指示 | ○ | × | |
保険会社との折衝 | ○ | × | |
事故車両の修理手配 | ○ | × | |
保険金請求手続き | ○ | × |
(○=あなたの負担、×=リース会社が代行、△=合同対応)
これだけ違ったら車一台にかかる人件費もばかになりませんね。
カーリースで経費として計上できる費用
カーリースで費用のすべてを経費として計上できるといいましたが、その内訳はだいたいこんな感じになっています。
- 本体代
- 車検代
- 重量税
- 自動車税
- 自賠責保険
- 任意保険(リースプランに含まれない場合もある)
- メンテナンス代(メンテナンスプランの場合)
メンテナンスプランに加入しておくと車を利用するうえで必要な費用はすべて月額料金に含まれることになるので家計の管理も非常に簡単になります。
ただリースでは支払総額が購入よりも高くなるといわれていますが、その理由はこれらの費用すべてに金利が適用されてしまうからです。
自動車ローンの場合でも本体台だけなのでリースの総額が高くなってしまうのも仕方のないことではありますね。
だからこそ全額を経費として計上することができる法人や個人事業主にとってはメリットが大きいともいえます。
まとめ
車を購入することに比べてカーリースではまとまったお金が必要なかったり、費用を全額経費として計上することができるというメリットがあります。
これは会社を運営していくうえでとてもメリットが大きいですが、その反面いくつかデメリットがあることも事実です。
カーリースを利用するかどうかはメリットとデメリットを天秤にかけて本当に得なのかどうかを判断してから利用するようにしてください。