カーリースの残価とはいったい何なのか、いまさら人には聞けない疑問を解決していきたいと思います。
最近では車の乗り方にも変化が出てきており、購入する時代からリースする時代、シェアする時代へと移り変わってきています。
2018年には個人向けリースの契約数は10万件以上増えて約25万件に、2022年には93万件まで拡大するといわれています。
そのためこれから車を所有しようと思っている方の選択肢にリースが入ってくることは間違いないでしょう。
ただしカーリースについてはきちんと理解しておかなければならないことが多くあります。
その一つが”残価”です。
残価とは?
残価とは契約満了時におけるその車の価値のことです。
例えば5年のリース契約をした場合、その車の5年後の価値を予想した金額が残価になっているというわけです。
一般的に車の価値は次のように変動していくといわれています。
5年後・・・30%~40%
7年後・・・20%~30%
9年後・・・10%~20%
11年後・・・0%~10%
変動率に差があるのは車種によってまちまちだからです。
一般的には100万円の車を5年間リースしたら残価は30万円から40万円ぐらいになると覚えておけばいいでしょう。
カーリースのリース料金は残価を差し引いたものになるため料金がお得になるといわれています。
支払う料金は実際に利用した分だけになるということですね。
ただ利用年数が多くなると残価も低くなっていきますし、金利もかかってしまいますから支払総額は高くなってしまいます。
月々の負担と支払総額は家計の負担も考えてバランスのいい契約年数になるようにしましょう。
残価の設定方法
残価の設定方法は「オープンエンド方式」と「クローズドエンド方式」の2つあります。
どちらの方法も一長一短あるので契約満了時にどうしたいかで選ぶのがいいでしょう。
ただし業者によってはどちらかしか用意していないこともあるので注意が必要です。
オープンエンド方式
オープンエンド方式は残価を契約者自身が決める設定方法で、残価設定にかかわるすべての情報が開示されます。
自分で残価を決めることはできますが、あまりにも基準値からかけ離れた金額は設定できません。
とはいってもある程度融通は利くので残価を設定してリース料金を安くすることができます。
ただし契約満了時には残価の精算を行う必要があります。
精算時には残価が実際の価値よりも高い場合と低い場合があります。
例・・・残価:50万円 実際の価値:30万円 → 契約満了時に20万円の支払い
【残価が低い場合】
例・・・残価:30万円 実際の価値:40万円 → 契約満了時に10万円の払い戻し
これは残価リスクとも呼ばれており、自分で設定できる分契約満了時には責任を負う必要があるというわけです。
デメリットが大きいように思えますが、契約満了後はその車を買取するかどうかを選択できるようになります。
満了後もその車に乗り続けたいと思っている場合はオープンエンド方式を選択する必要があります。
クローズドエンド方式
クローズドエンド方式は残価をリース会社が決めてしまう方式で、残価に関する情報は一切開示されません。
リース会社が決めてしまうので残価を低めに設定する傾向にあるといわれています。
ただしオープンエンド方式とは異なり、契約満了時に残価を精算する必要がありません。
情報は一切開示されないため残価が高かったのか低かったのかの確認のしようもありませんが。
残価リスクを回避するため法人向けカーリースではこちらの方式で契約されることが多く、個人向けでもこちらを選択する人は多いようです。
ですが契約満了後に車の買取を行うことができません(一部業者例外あり)。
そのため満了後に新車を再リースしようと思っている方におすすめです。
残価設定なしの業者がある
ここまで残価について詳しく説明してきましたが、実は一部の業者では残価を設定なしになっている業者があります。
もっとも有名なのはシェアNo.1のオリックス自動車です。
残価設定がないため購入価格の全額をリース料金として負担する必要があります。
ただしオリックス自動車は調達力にも優れているため他社より安く車を仕入れることができます。
なので残価設定がなくてもリース料金では最安値になることが多々あります。
また残価設定がないことの最大のメリットは契約満了時に無料でその車がもらえることです。
残価を精算する必要もありませんし、買取すら必要なくなります。
いちいち残価設定を考えるのが面倒だという方はオリックスなど残価設定がない会社を選ぶのも一つの方法だと思います。
残価の買取相場は?
ここまで説明してきたようにオープンエンド方式で契約することで満了後に買取を行うことができるようになります。
ただし一部の業者はクローズドエンド方式なのに買取ができるところもあるので詳しくは下記のページをご覧ください。
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オープンエンド方式なので自分で決めた残価がそのまま買取価格になります。
残価設定は赤本と呼ばれる中古車相場が掲載されたものを参考にする思いますが、だいたいは次の値に収まります。
5年後・・・30%~40%
7年後・・・20%~30%
9年後・・・10%~20%
11年後・・・0%~10%
つまり契約年数が長くなればなるほど買取価格は安くなるということですね。
契約満了後に買い取ることを決めている場合は残価設定で低い金額にしてくのも一つの手だと思います。
あるいはオリックスのようにあらかじめ残価設定がないところを利用するのもいいと思いますよ。
まとめ
残価設定はだいたいどの業者も決まった価格になることが多いのですが、クローズドエンド方式を選択するとすべてブラックボックスになってしまいどのように設定されているのかわからなくなります。
精算する必要がなくなるのはメリットの一つといえますが、車の買取を予定している場合はオープンエンド方式を選ぶ必要があります。
そうすると残価リスクがついてくることになりますが、一般的な価格に設定しておけばそこまで大きな金額を請求されることはないでしょう。
ただしこれは無事故で車がきれいな状態だった場合で、事故を起こしていたり大きな傷がある場合はその限りではありません。
なのでオープンエンド方式で契約する場合は価値を落とさないように気を使って走るようにしましょう。