オープンエンドとクローズドエンドの違いをわかりやすく解説していきたいと思います。
個人向けであっても法人向けであってもカーリースの契約をする際は「オープンエンド方式」か「クローズドエンド方式」を選択することになります。
それぞれの方式では残価に対する扱いや契約満了時の車の買取などが異なってくるため契約の前にしっかりと考えておくことが重要になります。
オープンエンドとクローズドエンドのことを知る前にまずは残価についておさらいをしておきましょう。
残価とは?
カーリースを契約する際は契約満了時にその車にどれだけの価値が残るかを設定することになります。
これが残価と呼ばれるもので、例えば200万円の車を7年間リースしてその後の価値が50万円残るとするとその間に払う料金が150万円になるというわけです。
残価はあくまで予想の価格なので場合によっては残価よりも実際の価値が高くなることもありますし、逆に残価よりも低くなってしまうこともあります。
残価を高く設定すると支払いの金額が少なくなるので毎月の負担が少なくなりますが、その分残価リスク(後述)が高くなります。
オープンエンドとクローズドエンドではこのように残価と実際の価値が合わなかったときの対処法が異なってきます。
更に残価を支払うことで車の買取を行えたりもするので、将来を見据えてどちらにするかを考えておく必要があるでしょう。
オープンエンド方式
オープンエンド方式とは契約者自身が残価を設定し普段の支払い金額を低く抑える代わりに、同意の上で残価を高く設定することができる契約になります。
毎月の支払いを低く抑えることができるメリットがありますが、契約満了時には残価の差額を精算する必要があります。
これが残価リスクと呼ばれるもので、例えば先ほどの例でいうと200万円の車の残価を100万円に設定しておき実際に50万円になったとすると契約満了時に差額の50万円を一括で支払う必要があるということになります。
あまりないですが残価を50万円に設定しておいて実際の価値が100万円になっていたとすると満了時にリース会社から差額の50万円が支払われることになります。
残価が設定金額とあまりにもかけ離れていた場合には再リースという方法もあります。
またこちらの方式では満了時に残価を支払うことで車の買取を行うこともできる業者が多いです。
リース後もその車にずっと乗りたいと考えている方は満了時に買取をすることができるこちらの方式の方がいいでしょう。
クローズドエンド方式
クローズドエンド方式では残価の設定をリース会社が行うことになっており、その詳細が非公開な代わりに契約満了時に残価との差額があっても支払う必要がなくなる契約となっています。
差額があっても契約者に支払ってもらうことができないためリース会社は残価を低めに設定する傾向にあります。
そうなると当然月々の負担は高くなってしまいますが、契約満了時に大きな出費がないという点では気持ち的にも楽になると思います。
契約満了時にはそのままリースを終えることもできますし、再リースを行うこともできるようになっています。
ただしオープンエンド方式とは異なりリースしていた車の残価を支払って買い取るということはできなくなります。
法人契約ではこちらの方式で契約するのが一般的な形となっています。
オープンエンドとクローズドエンドのメリットとデメリット
オープンエンドとクローズドエンドの違いをわかりやすく表で見ていきましょう。
オープンエンド方式 | クローズドエンド方式 | |
---|---|---|
残価の開示 | 公開 | 非公開 |
残価精算の責任の所在 | 契約者 | リース会社 |
残価 | 高めに設定可能 | オープンエンド方式と比較すると低めになりやすい |
満了後の選択肢 | 1)残価で車を買い取る 2)延長(再リース) 3)返却(リース会社と残価の精算)車を査定し、その時点の市場価格と設定した残価との差額を精算 | 1)車の買い取りができない 2)延長(再リース) 3)返却(リース会社へ返却)残価精算は行われない。ただし車に大きな瑕疵がある場合にはお客様負担での原状回復が必要となる。 |
メリット | 残価を高く設定することで月々の負担を抑えることができる。また満了後に車を買い取ることができる | 車の価値の変動を気にすることなく自由に運転することができる |
デメリット | 契約満了時に残価リスクが発生しやすくなる。 | 残価をリース会社が設定するため低くなりやすく、その分月々の支払金額が大きくなりやすい |
業者によってはどちらか一方のプランしか用意していないこともあるので契約しようと思っている業者がどちらのタイプなのかをしっかりと把握しておく必要があります。
キーワードとなるのは「残価なし」「車がもらえる」というような言葉になります。
先で述べたように法人ではクローズドエンド方式で契約するのが一般的なのですが、個人ではどちらがいいというのは正直なところわかりません。
一度も事故を起こさず傷もつかなかった場合はオープンエンド方式を選んでも精算時に大きな金額になることはないでしょう。
逆に言うとキレイに乗る自信がない方はクローズドエンド方式の方がいいかもしれませんね。
これに関しては業者の方とよく相談して決めるのがいいと思いますよ。